Anna Sui 2019 Fall Winter/ Backstage

トップモデルが大挙して繰り広げられるアナのショーは、私たちをファンタジーあふれるファッションの世界に連れて行ってくれる。そんなエキサイティングなショーの舞台裏とは?

本番2時間前

2019年2月11日午後7時開演のショー会場は、ダウンタウンのトライベッカ地区にあるお洒落なイヴェント会場スプリング・スタジオ。 午後4時半。すでにヘア&メイクの部屋にはカイヤ、ハンネ、アドゥ、テイラー、ジゼル、ウィロウ、、、と人気モデルが顔を揃え、ヘアスタイリストやメーキャップ・アーティストたちが準備に大わらわ。バックステージ撮影のカメラマンたちが、シャッターを切りまくってごった返す部屋は、まるで渋谷のスクランブル交差点のよう。 でも本番まではまだ2時間、モデルたちはリラックスしてみな和気藹々。ヘアメイクの合間にスマホでメールやインスタグラムをチェックしたり、ネイルに星型のデコレーションを入れてもらったり。差し入れのピザをほおばりながら談笑したり。ピザはなんと出演モデルでもあるスーパーモデル、テイラーの差し入れだとか!

誰かが「あっ、アナだ!」。一瞬、辺りに緊張感が走る。アナがヘアメイクの進行具合のチェックにやって来たのだ。 モデルたちのスナップに夢中だったカメラマンたちが一斉にアナの周りに突進。 今日のアナはご機嫌ムード。にこやかにカイア・ガーバーやテイラー・ヒルなどモデルたち一人一人とハグをしながらご挨拶。そしてヘアとメイクの陣頭指揮をとるヘアスタイリストのギャレンとメイキャップアーティストのパット・マグラスとヘアメイクの最終打ち合わせ。ギャレンもパットもアナのデビューコレクションから手がけているので気心知れた仲。

2019 FALLのテーマは「POPTIMISTIC」

今回のコレクションは、 弾けるようなポップな感覚とクヨクヨしない楽天的な気分がテーマ。アナの生まれ育ったデトロイトの60年代のミュージック・シーンを彩ったモータウン・サウンドのシンガーやサイケデリックなポスターやチラシがインスピレーション。というわけで、ヘアもメイクもポップでカラフルなのがポイント。

大胆なアイ・メイクがポイント

「60年代のデトロイトといえばモータウン・サウンド。あの頃の女の子たちのファッションはレディ・ライクなんだけど、凄く尖った部分があったの。そのポイントが大胆なアイ・メイク。メガなボリュームのまつ毛と。紫やターコイズのポップな色のアイシャドー。そして強くて印象的なアイライナー」。とメイクのポイントをビューティ・エディターたちに説明するパット。

カラフルなウィッグでスーパーヒーローに

一方、ヘアのギャレンは、ブルーのショートヘアのウィッグをモデルに被せながら「今回のアナの服はレディ・ライク。普通のヘアじゃ、オバさんみたいになる。パンクな味付けが必要なんだ。ポップでカラフルなウィッグを使ってモデルたちをスーパーヒーローみたいにするんだ」と言って。ヘアのブース貼ってある1963年の映画「あなただけ今晩は」(Irma La Douce]のシャーリー・マクレーン扮するイルマの写真と、フランスのヌーベルバーグのミューズとして一斉を風靡したアンナ・カリーナの写真をインスピレーションとして紹介。おもむろに挟みを取り出し「モデルの顔に合わせて髪を整えないとね」と言いながらモデルに被せたウィッグの髪を自在にカット。お次はカットした髪に櫛を当てて逆立て、スプレーをかけてリボンをつけて、ニコやかに「はい、完成!」。ヘア界の重鎮の素早い巧みな技に恐れ入りました!

間もなくショーがスタート

そして5時半。ブルー、パープル、ピンク、レッドとカラフルなウィッグをつけたモデルたちはリハーサルへと次々に部屋を出て行く。 2、30分ほどしてモデルたちが帰ってくるとバックステージは終盤。この日一番の売れっ子モデル、ベラがボディガードとともにやって来たのがこの頃。すでに3、4本のショーをこなしてやってきたので、少々疲れ気味。「写真は控えて」とカメラマンたちを制御するボディガード。それでもアナがやって来ると明るい笑顔に。緊張がとけた瞬間だった。 開幕まで1時間を切ると部屋は戦闘状態。 「アイライナーのひき方が弱いわ。もっと」強く太く!マスカラはもっとたっぷり。目がポイントなのよ!」とパットは仕上がったそれぞれのメイクを入念にチェック。ギャレンは「パンクっぽくしないとね」と逆立てた髪のトップを指で持ち上げて、アシスタントたちに最終指導。パットとギャレンか ヘアメイクのOKが出たモデルから、アナが待機する衣装部屋へ、、、、。間もなくショーが始まる!